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現在はこども英会話のミネルヴァで英会話講師を務めているナツコさん。なんと留学前は、 2級建築士として建築設計事務所に勤務していたというから驚き。
「大学で建築を専攻していたこともあり、卒業後は建築設計事務所で働いていたんですが、本当は昔から子供が好きだったんです。学生のときは学童クラブの指導員などもしていたんですよ。」
そのような経緯もあって、留学中は 児童英語教師養成プログラムを受講したナツコさん。授業内容が今の仕事にも十分生かされているとのこと。これから留学する人にとって参考になれば、ということでご自身の留学経験について、そして現在のお仕事について詳細までじっくりと語ってもらった。
−まず初めに留学目的から伺います
英語の習得。人生経験。文化交流、理解。
30歳が間近に迫っていたので「行くんだったら今しかない!」といった気持ちが強かっ たです。また、仕事(建築設計)を始めて2年ほど過ぎ、「この仕事をこれからずっと続けていくのか。それとも一度リセットするのか。決めるタイミングは今じゃないか!」と思ったので留学を決めましたね。
−留学先にトロントを選んだ理由は?
英語の習得が目的の一つだったため、候補地としてはイギリス、カナダ、オーストラリアもしくは二ュージーランドでした。
建築を学んでいたため当初の第一希望はイギリスでしたが生活費がかかるため却下。
アウトドア派でもないのでオーストラリアとニュージーランドも却下。
というわけで、消去法で残ったのがカナダ(苦笑)。
実はカナダに関する知識を全く持ち合わせていなかったので、今度はバンクーバーかトロントかで迷いました。結局母が「赤毛のアン」好きだったため東側のトロントに決定。それに、できるだけ日本人が少ないほうがいいと思ったのでバンクーバーはやめました。
−留学準備について教えてください。
「留学しよう」とは前々から思っていて、仕事を辞めたのは出発の 9ヶ月前。出発まで短期の仕事をしながらもう少し予算を・・・などと考えていましたが、なかなか準備が整わず、最後の3ヶ月ほどで一気に準備。航空券の予約をして、それからWHビザの申請、受理・・・など一つずつ進めていきました。
学校については「WTCの 児童英語教師養成コースに通いたい!」と思っていたので、どうせ行きたい学校が決まったのなら日本にいる間に手続きしてしまおうと思い、エージェントさんにお願いして入学手続きとホームステイの手配をしていただきました。初海外、初一人暮らしだったので、出発前は勝手がわからず漠然とした不安がありましたね。
特に「費用が足りるかな?」ということは心配でした。
−ホームステイや 1人暮らしなど色々経験されましたね。
そうですね。滞在に関しては、最初の1ヶ月のみホームステイで、それから3ヶ月+3ヶ月はルームシェア(カナダ人と3ヶ月+日本人と3ヶ月)。帰国までの4ヶ月はレントルームで一人暮らしも経験しました。
− 1ヶ月の生活費はどのくらいでしたか。
家賃は $450(ルームシェア)〜$650(一人暮らし)程度。交通費に$100(メトロパス)、通信費が$8(コーリングカード)+$60(電話とネットを自分で引いたため)。それに食費 $100、娯楽・交際費$50くらいだったような気がします。
収入は、現地で働いていた(Coffee Shop)ので、給料が月に$1,000〜1,200程度。働き始めてひと月ほどで開店を任されるようになったため仕事量と責任は急増。ですが、昇給が通常より早かったのが嬉しかったし、やり甲斐にもなりました。それに併せて、朝食を職場で食べられるようになったり、売れ残ったマフィンなどの商品を持ち帰ったりして、食費がいくらか浮いたりもしました。
−出発前の英語力はどのくらいでしたか。
高校では国際コースを選択していたのですが、大学では建築を専攻していたので英語 の授業がなく、長いブランクがありました。
英語は好きで「話せるようになりたい」という思いはずっとあったので、個人的に英会話学校には通っていました。ですので英語でのコミュニケーションやリスニングはいくらかできるという自負があり、日常会話程度はなんとかなると思っていました。
ただ、語彙が致命的に不足していたせいもあり、こみいった話ができないので、どこ か自信が持てなかったというのが正直なところです。
−それでは、英語を身につけるために留学中取り組んだことは。
まずは友人、知人との英語での交流(日本人ばかりと行動しない)です。
一緒にホームステイをしていた仲間が全員韓国人で、彼らはステイ先で英語だけでな く母国語で会話をしていましたが、わたしと彼ら、そしてホストファミリーをつなぐ ものは英語しかなかったので、自然に「日本語を話す」という感覚がなくなりました。
その次が仕事を通じての英語力アップ。
職場の同僚は現地の人(中国系移民)でしたし、また当然お客様も現地の方でした ので、会話はすべて英語。
同僚とお客様の会話を聞きながら「あぁ、こういう言い回しもあるんだ」「これはこ う発音をするんだ」などと日々勉強になりました。
常連のお客様にはこちらから積極的に声をかけ、会話を楽しむように心がけました。
他には英語を「見る」ことに慣れるように努めたこと。
最初のうちは、新聞などで大量の英語を見ると「うわぁ・・・」と圧倒されていまし たが、それではいけないと思い、日頃から英語を読む、書くことを意識しました。
TVが部屋になかったので、リスニングやスピーキングは仕事のときに意識してリーディングやライティングは学校のレポート、友人とのメールのやりとりなどで身につけました。
−とても熱心なナツコさんですが、英語はどのくらい伸びましたか。
渡航前に TOEICを受けたことがなかったのですが帰国後初のTOEICでは795点でした。
自分の課題にしていた「語彙力」はまだ「満足」というほどではないにしても確実に 増えましたし、決まり文句や言い回しなど、日常生活で役に立つ表現を数多く身につけることができたと感じています。
発音も、渡航当初から「日本人的な訛りがない」とは言われていましたが、やはり最初に比べると今のほうが良くなったような気がします。
−滞在中に大変だったことはありますか。
まずは人間関係(特にルームシェアをしているとき)です。
今まで家族以外と暮らしたことがなかったので、ホームステイのときはともかく、他人と1対1で暮らすということがこんなに難しいとは予想していませんでした。
特に2回目のルームシェアのときは個室がなかったので、お互いのプライバシーの問題で何度も揉めました。
また、性格からいって自分がホームシックにかかるとは思っていなかったのですが、渡航後1週間はホームシックがひどくて、日本に今すぐ帰りたい!とこっそり泣いたりもしましたが、ステイ仲間に励まされたり支えられたりして、気持ちを切り替えることができまあとは体調を崩したときはきつかったです。
現地の病院には行きたくない、薬も飲みたくないと思っていたので(身体に合うか不安だったため)風邪を引いたときはただ温かくして寝るしかなく不安でした。
一人暮らしをしていたときに体調を崩したときなどは、このまま悪化しても誰にも気づかれないかもしれないと思ってそれも不安でした。
年末年始に2週間ほど日本へ一時帰国をし、真っ先に薬を買って帰りました。
−では留学生活で印象に残っていることは。 特に何か特別なことじゃなくて、日常生活全てが今となっては思い出深いです。
(買い物に行ったり、電話の契約をしたり・・・)
特にといったら、イエローナイフで見たオーロラでしょうね。 一生に一度は!と思っていたのですが、すっかりハマってしまって、もう一度見に行きま した。
カナダに渡ってすぐ通学、それから仕事の毎日だったので、帰国前の2ヶ月ほどはフリーにして、オタワやバンクーバー、ケベックなどを旅して回りました。 やはりせっかくカナダに来たのだから、カナダでしかできないことはできるだけやっ て帰ろう、という思いがありましたね。
−渡航前に日本でしておいたほうが良いことはありますか。
留学先の情報を一つでも多く集めておくと「こんなはずじゃなかった」「予想と違った」ということがなくていいと思います。 実際、計画と現実にずれがあって途中で挫折して帰った知人や、滞在中ずっとあれや
これや思い悩んで精神的に参ってしまった知人がいましたので、ちゃんと情報を集めて、それでも覚悟するところは覚悟して渡航する、そしてもし理想とずれがあったとして も気持ちを切り替えて積極的な見方をするというような順応性が必要だと思います。
それから、英語はできればある程度できたほうがいいと思います(生活をスムーズに スタートさせるために) 。よく「英語しか通用しない環境に身を置けば、自然に英語力が身につく」と考える人 がいますが、いくら海外に来ても、肝心なのはやはり本人の「自覚」です。 「行けば何とかなる」ということはないと思います。しておいたほうがいいかなぁと 少しでも思ったことはできるだけやってきたほうが自信にもなります。
あと、金銭的な余裕もできるだけあったほうがいいと思います。
仕事は、わたしの場合は本当にタイミングよくすぐ見つかりましたが、場合によってはなかなか決まらないこともあります。 「お金がない」と思うと精神的にも余裕がなくなるし不安になるものなので、最低限ではなくある程度余裕を持って来ることをオススメします。
−帰国後のお仕事探しに留学経験は役立ちましたか。
はい。もちろん英語が話せなかったら今の仕事に就くこともできていないわけですし、ここでも英語のおかげでまたひとつ道が広がったなと感じています。また結果的には「 児童英語教師養成 コース」が仕事に直結した感じですね。
子どもの発育に応じたレッスン、効果的な学習方法、教師としての心構えや役割な
ど、研修で教えられること一つ一つが「 児童英語教師養成 コース」で教わったことと同じで、よく理解できました。
それと同時に、語学学校の中のひとつのコースを修了したに過ぎない、と思っていたこのコースでしたが、そこで学んだことに間違いはなかったなぁと実感しています。実際の仕事では、外国人講師との意思の疎通などがスムーズですし、自信を持って子どもと向き合うことができていると思います。
ただ、一つだけ学校のときを違うのは、「 児童英語教師養成 コース」の一環で現地の Nursery Schoolで実習を行いましたが、そこの子どもたちは私たちよりよほど流暢に英語を話し ましたので、ただの「保育」に徹することができましたが、今は英語を「教える」と いう責任がありますので、成果を求められるのがちょっと大変だなぁと感じていま す。
−現在のお仕事について教えてください。
1クラスにだいたい5〜6人ほどの子どもがいて、今のところ3曜日で8クラスを受け 持っています。
レッスンは各クラス1時間ですが、その準備や付随作業が多く、レッスン外のところで結構時間をとられます。 下は3歳児〜上は小学校5年生まで受け持っていて、それぞれの年齢に応じた難しさがあります。
特に難しいと感じているのは幼児〜小学校低学年のクラスで、レッスンに気持ちを集中させ続けるのはほとんど不可能です。 レッスン中に泣いたり騒いだりする子ども一人ひとりに対応していくのはとても大変
なことで、思い通りにレッスンをすることができずにがっかりすることや不安になることもあります。
でも「英語を話せると世界が広がる」ということを身を持って体験しているので、そのお手伝いができるというのはとても嬉しいことであり、子供の将来に関係してくる責任重大な仕事でもあります。そしてこどもの笑顔ひとつ、言葉ひとつでHappyになれる、とてもrewardingな仕事だとも思います。
たった 1年間とはいえ、日本と異なる文化圏で生活したことで、わたし自身がどうというより、周りの見る目が違うと感じています。(言葉は悪いですが、いわゆる「ハクがついた」という感じ!)
カナダにいる間に日本との他の国との違いや風習などを垣間見ることができ、日本のいいところ悪いところ、他国の文化のいいところ悪いところなどを自分なりに見ることができました。 そういった英語という言葉以外のことを子どもたちに情報として提供できるのも留学したからこそだと今は感じています。
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